A Love to Hide(2005)原題:Un amour à taire(フランス)
監督:Christian Faure
脚本:Pascal Fontanille、Samantha Mazeras
キャスト>>>
ジェレミー・レニエ(Jean)
Louise Monot(Sarah/Yvonne)
Bruno Todeschini(Philippe)
Michel Jonasz(Armand Lavandier)
Charlotte de Turckheim(Marcelle Lavandier)
Nicolas Gob(Jacques)
ストーリー>>>
1942年。ナチスがパリを支配していた頃を描いた作品。ストーリーは迫害を恐れて男同士の恋を隠し続けなければなれなかった2人の男性を中心に展開していく。2人の生活はユダヤ人の幼馴染が救いを求めてやってきたことから複雑になっていく。
感想>>>
何て悲しい恋物語なんだと思わずにはいられませんでした。今でも同性愛に関して差別する人はいるでしょうが、ここまでやるか、という感じです。それほどナチスは残酷で彼らのようなゲイ=クズの生死なんてどうでもよかったということです。
ジャンがユダヤ人のサラを匿ったことから段々と歯車が狂っていくのですが、ジャンの恋人のフィリップも理解を示してサラを家に泊めることを承諾してくれます。2人の関係は素晴らしく、フィリップはジャンとサラが恋に落ちてしまわないかどうか嫉妬までします。実はサラはジャンのことが子供の頃から好きだったりするのです。ジャンもそのことは気付いていたけれども、その気持ちには応えられないとしか言うことができない。この辺の三角関係がもやもや〜としてて、かなり焦らされるんですが、やっぱりジャンはフィリップのことを一番に愛してるんですよね〜
でもそんな禁断の恋愛が出所してきたジャンの不肖の弟にばれてしまいます。弟は家も継ぐことが決まっていて、サラとも仲がいい(弟はサラに惹かれていた)完璧な兄が許せず、裏のコネを使ってジャンを逮捕させてしまう。警察がジャンを調査するうちに彼が同性愛者であることが分かり、過酷な拷問の後、再教育をさせるため収容所へ送られます。その収容所の過酷なこと!収容者たちはどこからやって来たかで差別され、命令に違反した者は老若男女問わず即銃殺。ジャンはドイツからやって来た青年と仲良くなりますが、その青年が目の前で焼死。しかも兵隊たちは火だるまになった彼をあざけ笑いながら見ていた・・・地獄だと思いました。人が目の前で命を落とそうとしているのに、それを笑って傍観してるだなんて頭が狂ってるとしか言いようがありません。
一方でジャンの弟は自分が引き金で兄が逮捕されたことを黙ったまま、サラと結婚し、子供までできていた。弟も根っからの悪じゃないとは思いますが、兄への嫉妬から復讐をしたのには同情できません。弟も後で報いを受けることになりますが、ジャンとフィリップが彼以上に苦しんだことを考えると、やるせない気持ちになりますね。
ジャンは男しか愛せないと言って、再教育を拒否。そこから戻った者はいないという収容所へ送られてしまう。ありのままの自分を受け入れてくれないことがどんなに苦しいことだったかと思います。ジャンも子供の頃からゲイである自分を恥じていて、変えたいと何度も思ったけれど、それは自分じゃない、と弟に告白していました。今ではかなりゲイへの偏見はなくなってきたし、こういった映画も作られるようになりました。だからこそ、こういった不遇の時代を生きてきた人たちのことも知る義務があるんじゃないかと思いました。
テレビ映画だと思えないほど、作りこんでありました。オススメです。
ちなみにジャンを演じたジェレミーはなかなかかっこいいです(笑)若いながら演技に迫力がありました。